無音PC





PCの電源を入れた時、唸るようなノイズを不快に思ったことはないだろうか。
PCは高性能化と引き替えに、騒音と無縁の存在ではなくなってしまった。
100Wに達するチップは冷却のため高性能のファンを要求し、高速で回転するHDDやDVDは回転音、シーク音を発している。
ファンの回転数を落とす、CPUの駆動電圧を落とす、エアフローを改善する、熱効率の良い大型のヒートシンクに換装する、等々無駄な様々な努力を積み重ねること十年弱。

ついに念願の無音マシンを手に入れたぞ。(大袈裟)


てなわけで、コールセンター用のThin Client端末HP Compac t5710をひょっこり入手してしまったので、HDDレス、CD-ROMレスの完全無音、0スピンドルマシンとして常用可能にしてみた。






今回入手したのは以下のスペック。カタログではCPUがEfficion 1.2GHzとなっているが、BTOモデルなのだろうか。
メーカーサイト

CPU : Crusoe 800MHz
Memory : 512MB 333MHz DDR SO-DIMM
(うち32MBをCMS,16MBをVRAMとして使用)
FlashROM : 512MB
GPU : Radeon 7000M

一応現行モデルで、元値は6?7万円。購入価格は1.5まんえん。
OSはWindowsXPembeddedで、デフォルトではIEとWMP9、RemoteDesktop(と、業務用の高価そうなリモートクライアントがいくつか)のみがインストールされている。
デフォルトでも使えないことはないが、ユーザー権限で自動ログインするようになっており、エクスプローラーすら開けない状態である。

動作音は静音どころか完全に無音。当たり前だけど。
半日以上動かしてるけど、筐体は熱くなっておらず、排気口がほんのり暖かいくらい。
大きさはだいたい新型PS2くらいか。重量は1kgちょい。
縦置き用スタンドがついているが、縦置きにすると左右非対称の形がちょっと気になる。

早速中をあけてみた。
アレな外観の割にシールドはしっかりしている。
SO-DIMMとヒートシンクが二つ。黒い方がRadeonで銀色がCruesoeか。
PCIスロットが見えるが、当然筐体を閉じた状態では使用できない。
左下にFlashROMの載ったドータボードがある。コネクタはIDEではなさそう。
CFカードなど、載せ替えできるものを期待してただけにちょっと残念。


Windows搭載とはいえ、たった512MBのFlashROM上での運用のために様々な工夫と制約があり、カスタマイズにはちょっとしたコツと知識が必要。
幸い業務でXPembeddedを弄っていた経験があり、なんとなく察しは付いたのでいろいろ弄ってみた。
以下、カスタマイズした項目のメモ。

・WindowsXPembeddedについて
普通のWindowsXPとカーネルに差はない。
従ってXP用のプログラムやドライバ等は基本的に動く。
違いは必要なコンポーネントを必要な分だけインストールできるということ。
通常XPでは最低でも1G?4G程度のHDD容量が必要だが、用途を絞ればコンポーネントを削ることにより200M?400M程度でも実用に耐えるシステム構築が可能となる。

・何はともあれAdminでログオン
先述のように、デフォルトではユーザー権限でしかログインできない。
かなり強烈に権限を絞ってあり、各種コンパネはおろか、エクスプローラーすら開けない設定になっている。
ログオフ時にshiftを押しているとダイアログが出るのでAdministratorでログインし直す事。

・USBストレージセキュリティ
USBメモリやUSBHDDの使用可否を設定できる。
デフォルトは可のようだ。

・エンハンストライトフィルタ(EWF)
通常はFlash書き込み保護のためEWFが有効になっている。
これはWritebackCacheのようなもので、書き込まれた内容をRAM上に保存し、次に読み込まれるときにそれを参照する仕組みである。
従って設定変更やソフトのインストールを行ってもRAM上にしか反映されず、電源を切ると初期状態に戻ってしまう。
RAM上の内容を変更した状態で[更新]を行うと、シャットダウン時に変更内容がROMに書き戻される。

・RAMディスクマネージャ
RAMディスクを作成し、そこにCookiesやLocalSettingsを展開している。ソフトインストール時のファイル展開もRAMディスクを使うため、最大(64M)にしておいてもいいかもしれない。
環境変数TEMP,TMPがここに設定されているため、インストール時にHDD容量が足りない等言われる場合は、USBHDD等を繋いだ上でシステムプロパティ→詳細設定からそのドライブに設定するとよい。

・アプリケーションのインストール
上記をふまえて、アプリケーションのインストールを行う。
今回はFireFoxとThunderBird。あとSkypeを入れてみた。
この三本をインストールした状態でCドライブの使用量は330MB。まだ150MBほどの空きがある。
Windows95時代に戻ったような数字である。

・Sygate Security Agent
かなり強力な(?)FW。
OFFにしてNortonでも入れた方が楽そうですが、入っているモノは有効活用したいところ。
他のFWのようにアプリにあわせた自動設定はやってくれないのでアプリが使用するポートを把握した上で設定してやる必要がある。
FireFoxはIE,wmvの設定に追加すればOK。
ThunderBirdはTCPの25,110,143を通すように設定。
SkypeはTCPの80,443と、起動時にランダムに振り当てられるポートを設定。あとUDPで同じポートを設定する。

・雑感
必要最低限に絞り込まれてほぼRAM上で動くXPはかなり快適!
vaio-u3でCrusoe933MHzを使ってたけど、アプリ起動時のもたつきを除けば実用範囲内。
腐ってもRadeonのおかげか、スクロール等はやたらスムーズ。

動画はQVGA程度なら破綻はない。
Gyaoを試してみたかったけど動画は出てこなかった。
足りないコンポーネントでもあるのだろうか。

ゲーム系は試してないけどDirectXコンポーネントがないため、恐らく無理。
っていうかインストール容量が足りない。

常時起動のweb端末を考えてる人にはオススメできるかも。

コメント

  1. ・そう かんけいないね
    >・殺してでも うばいとる
     ・ゆずってくれ たのむ!!

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  2. しょうりの かぎは あきはばらの ORAORA だ!!

    返信削除

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