エキスパートCプログラミング―知られざるCの深層 ピーター ヴァン・デ・リンデン, Peter van der Linden, 梅原 系 SunのOSチームの著名人Peter van der Lindenの著書。 内容としてはC言語仕様の解説本である。巷にあふれる入門本でも、高度なテクニック、用途別の細に入った解説を行う応用本でもない。 本書の存在意義は、C言語のエラッタとでも言うべき仕様の歪を生い立ち、歴史的背景から解説し、「んじゃしかたねーな」と思わせてくれることにある。 プログラミング書としての難度が高いわけではないが、C絡みの薀蓄と無駄知識にあふれており、深層(原題はDeep C Secret。Cとseaを掛けた?)という邦題にも頷ける。 Silicon Valleyの入社試験の一幕や不明瞭なCプログラム国際コンテスト(International Obfuscated C Code Contest(IOCCC))ネタなんかもエンジニア同士の酒の肴程度には使えるんじゃないかな? C言語一通り勉強して入門書じゃ物足りなくなった人、昔そこそこいじってたけど久々にC言語に立ち返る羽目になった人。検討する価値有り。 コンパイラ屋を含むCで無茶しなきゃいけない職業プログラマと、C言語、ひいてはUNIX方面からこんぴうた史に詳しくなりたい奴。副読本として是非手元にどうぞ。